映画『アルゲリッチ』を見る

 すごい女だということはわかった。

 この映画は監督ステファニー・アルゲリッチの私小説だと思った。

 変な女を母親に持った娘の大いなる許しの物語であって、ピアニスト・アルゲリッチの映画ではない。

 最大限の優しさと読解力をもってしてもアルゲリッチの言葉は全くわからない。

 まるで、言語障害を持つ人間に哲学を語らせようとしているかのような映画だ。

 しかしステファニーの私小説ということで読解するなら80点。

 長い間撮りだめた時間の手柄というべきか。